CASE 1 導入の経緯私たちが考えたテスト設計に合わせて忠実にシナリオ作成できる点が決め手
当社では以前から、DXの早期実現に取り組んできました。DXによって業務効率化を進め、リソースを確保し、新しいことにチャレンジしていくことが必要だと考えているためです。私たちのチームではスマートフォンのオンライン料金シミュレーションを開発しているのですが、全社的なDX推進の下、実現の手段として挙がったのがこのサービスのテスト自動化でした。
そのような状況のなか、当時品質保証(QA)業務のサポートのために常駐していたSky株式会社のエンジニアから、テスト自動化ツールの「SKYATT」を紹介されました。その頃、当社では他社製のRPAツールを導入しており、それをテスト自動化でも活用しようと考えていたため、そのツールと「SKYATT」を比較検討することに。試験的に双方の製品で同じテストを実行するなど、私たちで実際に操作してみた結果、テストシナリオの作成で確かな手応えを感じたことが、「SKYATT」を活用する決め手となりました。
RPAツールでは、画面上で行われる実際のテスト操作をレコーディング(記録)し、同様の操作を自動化することができます。簡単に利用できそうなイメージがあるものの、いざ試してみると自由度が低く融通が利かない部分もありました。対する「SKYATT」では、画面を構成するボタンや画像など一つひとつの要素を「画面アイテム」として登録し、それぞれに「アクション(操作)」を割り当てることができます。図1細かい操作も設定でき、私たちが考えたテスト設計に合わせて忠実にテストシナリオをまとめられる点が高評価でした。また、私たちが開発するサービスでは、次々とアップデートを繰り返すアジャイル開発を採用しており、画面のレイアウト変更がたびたび発生します。RPAツールでは変更が発生するたびにテスト操作をレコーディングし直す必要がありましたが、「SKYATT」では変更の影響を受けず、作成したシナリオを再利用できます。長期運用を考慮した際、メンテナンスの工数も抑えられることが期待できました。
図1ボタンや画像一つひとつに操作を割り当てられる
CASE 2 導入の効果何度も繰り返すテスト作業において高い工数削減効果を実感
最も効果を実感できたのは、テスト作業の工数削減です。「SKYATT」活用以前は、たびたびアップデートを繰り返す本サービスのテストに多くの工数を要していました。新しい機種や料金プランが追加されるたびに、同じようなテストを10人体制で1~2週間かけて実施していたほか、注釈など画面上の文言も正しく反映されているかを人の目で一つひとつチェックしていました。本サービスの画面は全部で240ほどありますが、毎回ではないものの、場合によってはすべての画面をテストすることもありました。
「SKYATT」を活用したことで、これらテスト作業における工数は2.78人月削減。テスト自動化では、テストシナリオ作成に工数を費やすことが多いですが、前述のとおり「SKYATT」は画面のレイアウトが変更されても既存のシナリオを再利用しやすいメリットがあります。高頻度でアップデートが繰り返される本サービスのテストにおいて、とても有効に働いていると思います。図2
図2レイアウト変更時も既存のテストシナリオを再利用可能
CASE 3 導入の効果 テストの網羅性がアップ、デグレの懸念を解消し品質向上へ
工数削減に加えて、品質向上の効果も感じています。以前は多くのテストを手作業で行っていたため、高い頻度でアップデートが繰り返される本サービスのすべての画面を、毎回テストすることは物理的に困難な面もありました。そのため、その時々のアップデートの内容に応じて関連性の高い画面をピックアップしテストしていましたが、その場合、想定外の画面にデグレードが発生してしまうのではという懸念は残ります。「SKYATT」を活用したことで大量の画面を網羅的にテストできるようになり、その懸念を解消できました。
また、前述の画面上の文言が正しく反映されているかどうかも、「SKYATT」を使って正確にチェックできるようになりました。半角スペースと全角スペースといった細かな違いも漏れなく拾えるようになり、品質向上につながったことを実感しています。
CASE 4 全体としての印象 常に寄り添い、一緒に走ってもらえる――エンジニアの心強いサポート
これらの効果から、「SKYATT」に対する商品自体の魅力はとても感じています。しかしそれ以上に、Sky株式会社のエンジニアのサポートの姿勢に心強さを感じました。「SKYATT」の検討段階では、私たちの課題を共に分析しながら適切な活用方法を提案してもらえましたし、運用しているなかで生まれた私たちの要望も的確にくみ取り、「SKYATT」のバージョンアップとして反映させるなど迅速に対応いただけました。顧客である私たちがオーナーシップを発揮して、それをSky株式会社が後押ししてくれたというよりも、私たちと共にオーナーシップを持って、何が問題で、どう改善していくべきなのかという共通認識の下、常に寄り添って一緒に走ってもらえたような印象です。「SKYATT」という商品をきっかけに幅広いサポートを受けられたおかげで、私たちのプロダクト全体の品質向上を図ることができました。
CASE 5 今後の展望 「SKYATT」の社内活用を広げ、全社的なDXの一端を実現
全社的なDX推進の下、私たちは現在、システム部門などほかの部署やグループに対しても、「SKYATT」の活用を提案しています。今回のオンライン料金シミュレーションのテスト自動化のようなオーソドックスな使い方はもちろん、当社の別グループではすでに、AIチャットサービスの死活監視などにも「SKYATT」を活用しており、まだまだ活用の幅を広げられることを感じています。
導入時から現在までに至るさまざま場面で、Sky株式会社のエンジニアから手厚くサポートをいただけたように、私たちも他部署へ「SKYATT」を勧める際は、メンバーに寄り添いながらサポートしていきたいと思います。そのためにも、Sky株式会社には引き続き、活用方法や類似ツールとの比較などの情報を共有してもらえると非常にうれしいです。私たちが「SKYATT」を活用し続けていくため、また、社内での活用をさらに広げていくため、ぜひ今後もご協力いただきたいと思います。そして、全社的なDXの一端を、「SKYATT」によるテスト自動化を通じて実現していきたいと思います。
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