CASE 1 導入の経緯
プログラミングスキル不要の手軽さと
マルチデバイスへの対応を評価
当社は、三井住友海上やあいおいニッセイ同和損保、三井住友海上あいおい生命、三井住友海上プライマリー生命から業務を受託しています。中でも契約照会グループは、契約者の契約内容を照会するWebシステムの開発・運用を担当。このシステムは、全国の代理店担当者やコールセンターのオペレーターなどが使用するためユーザー数も多く、事故等の受けつけに備えるため24時間365日の安定稼働が求められます。高い品質が求められる上、代理店各社のシステム使用環境は、Windows端末やiPadなどが混在し、ブラウザも統一されていないため、OSやブラウザがアップデートされるたびに回帰テストが欠かせません。
こうした背景もあり、以前からテスト自動化を検討してきましたが、「SKYATT」導入の直接的なきっかけとなったのは、Microsoft Edgeへの移行が本格化することや契約情報を管理する大規模データ移行に伴う改修でした。改修前後で情報が正しく表示されるかを確認しなければなりませんが、以前、同様の改修を行った際は改修前と改修後の画面をそれぞれハードコピーして目検していました。この作業をできる限り自動化したいと考えたのです。
自動化ツールは他社製品とも比較しましたが、ある製品はMicrosoft Edge非対応のため見送りに、別の製品は機能要件を満たしていたもののテストケースによってプログラミングスキルが必要になることがネックとなり導入を断念しました。
当社としては、複数種のデバイスに対応し、なおかつプログラミングスキルがなくても活用できるツールが必要でした。その点「SKYATT」は、iPadOSやAndroidにも対応していてマルチデバイスのテストに適している点や、マウス操作でアイテムの登録やアクションの指定などができるノーコード・ローコード的なUI設計になっていることで、プログラミングスキルを必要としない点を強く評価して導入を決めました。
CASE 2 導入の効果
システム改修前後の契約情報画面を
大量にキャプチャする作業を自動化
前述のとおり、大規模データ移行に伴う改修により、契約照会システムに正しい情報(改修前と同じ情報)が反映されているかを確認する必要がありました。前回のように画面をそれぞれハードコピーして目検していると相当な工数がかかるため自動化を試みました。以前から、画像を比較して差分を抽出できるツールを使用しており、改修前と改修後の画面キャプチャデータが用意できれば、そのツールを使って突合ができます。
しかし、データを用意するには、改修前後それぞれの環境で契約者の情報を入力して契約内容を呼び出し、同条件で画面をキャプチャするという作業を、何度も繰り返さなくてはなりません。「SKYATT」であれば、契約者情報を外部ファイルにまとめておき、それを参照して順番に契約者情報を入力して、契約内容を表示させることが可能です。このときは、約200件の契約者情報を用意して検証を行いました。以前であれば、予算と工数の許す範囲で、品質が担保できるテストスコープを設定していましたが、自動化によってテストスコープが拡大し、さらなる品質確保につながったのは大きな違いだと感じています。その後も、同じようなテストで「SKYATT」を活用しましたが、250件や500件など、テストの性質に合わせて必要な件数がチェックできたので非常に助かっています。
「SKYATT」は長く使い続けるほど、
活用効果が高まっていく
手応えを感じています
CASE 3 導入の効果
さまざまなパターンのテストに
活用できるようシナリオを蓄積
契約照会システムは代理店各社の担当者が使用しているため、端末のOSやブラウザの更新タイミングを当社でコントロールできません。そのため、アップデートのたびに速やかに動作検証(回帰テスト)を行う必要があります。しかし、Microsoft Edgeのアップデートだけでも1年に13回あり、iPadOSなども含めると年間のテスト実施回数は十数回になります。さらに、本システムは約300画面あるため、限られた予算と工数の中で影響範囲を見極めてテストを実施せざるを得ませんでした。しかし、現在は「SKYATT」を使って全画面を確認できるよう、テストシナリオの準備を進めています。
テストシナリオは、1から10までを1つのシナリオにするのではなく、ログイン操作や保険商品の選択といったように、操作手順ごとに細かく分けて作成しています。例えばログイン操作なら、ログインするユーザーの属性(保険会社なのか、代理店なのかなど)によって、遷移先のメニュー画面の内容が異なります。そのため、シナリオを小分けにしておけば、それらを組み合わせてさまざまなテストに流用できます。このように柔軟な使い方ができ、テストシナリオ作成の工数を抑えられるのは、大きなメリットだと感じています。
また、当社ではテスト自動化を長く継続した取り組みとするために、「SKYATT」を使いこなせるメンバーを増やそうと考えています。「SKYATT」はマウス操作でアイテムの登録やアクションの指定などができるノーコード・ローコード的なUI設計になっているので、使用者のプログラミングスキルを問わず活用できます。今後、さまざまなパターンのシナリオが蓄積されていき、使いこなせるメンバーが増えれば、時間の経過とともに活用効果がさらに高まるという手応えを感じています。
CASE 4 今後の展望
全社的な自動化推進の方針の下、
他グループにも活用が広がる
現在当社では、10あるシステム開発本部の代表による「テスト自動化推進会議」が運営されており、その場で当グループがテスト自動化の好事例として「SKYATT」をデモ形式で紹介しました。システム構成や業務アプリの内容によって活用しやすいツールは異なるので、自動化に役立つツールの選択肢の一つとして紹介しましたが、すでに他グループの業務でも「SKYATT」の活用が始まっています。
自動化によってテスト作業が効率化されることはもとより、網羅性が高められる、より緻密な合否判定ができる、といった品質向上につながる活用ができるのが最も重要ですので、自動化推進の取り組みのなかで、当社における「SKYATT」の活用はさらに広がっていくと感じています。現在も、Sky株式会社には優秀なエンジニアの提供を含め、多くの協力してもらっていますが、今後も引き続きさまざまな場面でのご支援を期待しています。
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