CASE 1 導入の経緯
ノウハウの継承が難しい状況を
テスト自動化で改善したい
私たちRaptor事業推進本部では、金融事業者様向けのSaaS型金融プラットフォーム「IIJ Raptorサービス」を開発しています。主に店頭FXなど、金融事業者様が運営するサービスに必要な各種コンポーネントをご提供しています。2010年に開始した本サービスですが、事業拡大に向けた中期的な施策検討の中で、手段の一つとして挙がったのがテスト自動化でした。そもそも、本サービスのシステムは各機能が独立して構成されており、お客様ごとにカスタマイズもされているため、それぞれにテストの内容が異なります。加えて、金融分野特有のリテラシーや勘所を理解しなければならないため、テストにおけるノウハウの継承が難しく、担当者が替わるたびに苦労していました。この状況をテスト自動化で改善することになり、「SKYATT」を含む3つのテスト自動化ツールを比較することになりました。
CASE 2 試験導入
別の業務と並行しながらでも、
2か月もあれば十分使いこなせるように
まずは使ってみないとわからないということで、3つのツールを試用することに。半年間にわたる比較の結果、今後長く活用できると確信した「SKYATT」を導入することになりました。
理由としては、まず使いやすさが挙げられます。「SKYATT」は、アイテムを選択して実行したいアクションを選ぶなど、基本的にマウス操作でテストシナリオが作成できます。テストエンジニアはプログラミング経験がある者ばかりではないため、スクリプトの記述などをしなくても使用できるのは魅力的でした。試用当初はSky株式会社のエンジニアのサポートを受けながら操作していましたが、その使いやすさから、別の業務と並行しながらでも2か月もあれば十分に使いこなせるようになりました。加えて、海外製の他社のツールは操作メニューこそ日本語でしたがエラーメッセージは英語だったりと、試用するなかの端々で使いづらさを感じました。「SKYATT」は国内で開発されており、そのような使いづらさを感じることはありませんでした
図1。
もう一つの導入理由として、サポート体制の良さも挙げられます。「SKYATT」はサポートもすべて国内で行われているため、他社のツールに比べて問い合わせに対する回答が早く、内容も正確でした。その上、実際に現場に入ってもらったSky株式会社のエンジニアには、「SKYATT」の活用が軌道に乗るまでとても熱心にサポートしてもらいました。想定するユースケースに対して「どこまで自動化できるか」といった相談に、親身になって対応してくれ、そのおかげで早い段階から工数削減などの効果を実感できました。また、私たちは本サービスの開発だけでなく運用も担当しており、お客様環境の定期的な動作確認なども行っています。それらの業務も「SKYATT」をRPAツールのように活用することで効率化できないかアイデアを出し合い、Sky株式会社のエンジニアにも相談。サポートのおかげで、いくつかのアイデアを実現できました。試用の段階でこれらさまざまなメリットを感じられたことから、現場レベルでは自然と「SKYATT」をデフォルトで活用する流れになりました。
図1プログラミング不要で操作できる使いやすさを評価
日常のさまざまな業務を効率化、
それらが積み重なり、大きな工数削減効果に
CASE 3 導入の効果
RPAツールのように活用し、
日常的な動作確認業務を効率化
前述のとおり、テスト業務に加えて、日常の動作確認業務においても「SKYATT」による効率化を実感しています。そもそも本サービスの動作確認は作業内容こそ単純なものの、まとまった時間が取られるという悩みがありました。例えば、月曜日~金曜日の毎朝の開局後に本サービスへログイン。画面を開いて動作を確認してエビデンスを取得する作業を行っていますが、以前はこの作業に1人1~2時間拘束されていました。現在は「SKYATT」で画面を自動で取得し、その画面の確認作業だけに簡略化したおかげで、毎月約4.5人日の工数を削減できました。そのほか、毎週土曜日にはお客様のチャネル動作を確認する作業もあり、2人体制で2.5時間かけて行っていました。これも「SKYATT」を活用することで時間を短縮。作業負荷の軽減に大きく寄与しました。このようにさまざまな業務の効率化が実現しており、それらが積み重なって大きな工数削減につながっています
図2。
加えて、心理的負担が和らいだ効果も感じています。先に挙げた動作確認は繰り返し行う単純作業のため、長時間対応し続けているとつらく感じるときもありました。また、まとまった時間が取られるため、代わりにほかの業務を都度調整する必要もありました。「SKYATT」活用後はこれらの悩みから解放されたように思います。
図2さまざまな日常業務が効率化
CASE 4 今後の展望
他社の活用事例も参考にし、
テスト自動化をもっと発展させたい
「SKYATT」を活用したことで、動作確認業務において多くの効果を実感できています。引き続き、身の回りの業務を効率化できないかアイデアを出し合い、活用方法を模索していきたいと思います。一方で、テスト業務の自動化においては、できることがまだたくさんあると感じています。前述のとおり、本サービスは各機能が独立して構成されていたり、お客様ごとにカスタマイズされていたりするため、自動化に向けてテストを定型化することがどうしても難しい部分があります。今後は活用事例をさらに共有してもらってそれを参考にしたり、Sky株式会社のエンジニアに都度相談したりしながら、テスト自動化をもっと発展させていきたいと思います。
導入事例一覧へ戻る